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【CCNP ENARSI勉強メモ】MPLS
MPLS概要
MPLS(Multi Protocol Label Switching)は、ラベルと呼ばれるタグを使用したパケット転送技術です。IPv4,IPv6にも対応で、ラベルを付加してデータを転送できます。MPLSは主に、IP-VPNなどキャリアのWANで使用されます。
MPLSは、L3とL2の間でタグをつけて転送することから、L2.5と呼ばれたりもします。
MPLSは、L3のIPヘッダを参照したルーティング(20バイト)ではなく、4バイトのMPLSヘッダのみを参照したラベルスイッチングが行われるため、ルータの負荷を抑えられます。
現在は、ルータの処理能力が向上しているため、負荷軽減の目的で使われるというよりは、ラベル付けによって顧客ごとのネットワークを識別するためなどに使われます。(MPLS-VPN)
MPLSは通信系特にWAN側のネットワーク
MPLSでは、様々な用語が登場するので、下記の通りまとめます。
- CE・・・Customer Edgeのことで、顧客側のルータ。MPLSは有効にしない。
- LER・・・Label Edge Router。MPLS網のエッジに配属される企業ネットワークのルーターと接続されるキャリア側のルータ。パケットのラベルの取り付け、取り外しを行う。
- LSR・・・Label Switching Router。ラベルの付いたパケットを受信し、ラベルテーブルに基づいてラベルの付け替えを行い転送していく。Provider Router
- ラベル配布プロトコル・・・ラベル情報を配布するプロトコル。ラベルテーブルはこれに基づいて作られる。LDP、MP-BGPなどがラベル配布プロトコルとして使用される。
- LDP・・・ネイバートラベル情報を交換するためのAP層プロトコル。TCP、UDP共に使用して、ポート番号は646。TCPはLDPセッションの確立、ラベル情報の交換、エラー通知。UDPはLDPネイバーの発見と、LDPセッションの維持
- FEC・・・Forwarding Equivalence Class。MPLS網で、同じ宛先のパケットや同じ扱いをさせるパケットの集まり。例(あて先IP、マルチキャストグループアドレス、IPヘッダのTOS値)
- LSP・・・Label Switched Path。ラベル付けされたパケットがラベルスイッチングされていく方向のパス。
MPLSのラベリングによるパケット転送の手順
①FECにラベルを割り当てる。
FECとは、あて先IP、マルチキャストのグループアドレス、ToS値などです。
②LDP(Label Distribution Protocol)やMP-BGPを使ったラベル情報の交換
③ラベルに基づいたパケット転送
(ラベル情報 ( 16 ~ 1048575 のラベル値 ) に基づいてパケットを転送)
MPLSのラベルの配付
MPLSでは、ローカルで割り当てられたラベル値が、隣接のMPLSルータに伝わります。
LDPセッションの確立
LDP・・・ネイバートラベル情報を交換するためのAP層プロトコル。TCP、UDP共に使用して、ポート番号は646。TCPはLDPセッションの確立、ラベル情報の交換、エラー通知。UDPはLDPネイバーの発見と、LDPセッションの維持
LDPセッション確立の流れ
①LDPのディスカバリーメッセージ(224.0.0.2)により、ネイバーの検出
②TCPコネクションの確立
③LDPセッションの確立
④ラベル情報の交換
LDPのラベルアサインとアドバタイズメント
LDPはFECに対して、任意のラベルを割り当てます。
ラベルの範囲は、16~1048575です。このラベルはローカル上で決定し、隣接ルータ間のみで使用されます。
LDPはネイバー確立後、ラベルをすべてのネイバーに通知します。通知を受け取ったルータはこの情報を基にLIB(Label Information Base)テーブルを作成します。
同じ宛先NWに対するラベルを複数受信した場合は、あて先がルーティングテーブル上でネクストホップになっているネイバールータからのラベルをパケット転送に使用します。
MPLS LDPネイバーの確立
前提として、MPLSのラベルスイッチングを行うためには、ルータ間でIPルーティングが確立していることが必要です。一般的には、OSPFが使われます。
MPLSを有効にするルータではCEFを有効にする必要があります。次にルータIDを指定します。ルータIDを指定しない場合は、物理INTの中で一番大きいIPアドレスがルータIDになりますが、ループバックアドレスがある場合は、ループバックアドレスが優先されます。
最後に、MPLS網に参加するインターフェースのみMPLSを有効化します。
※Ciscoルータでは、LDPはデフォルトで有効化されています。このため、mpls ipコマンドを入力すれば自動的にLDPネイバーを探してくれます。
MPLS – コントロールプレーンとデータプレーン
MPLSを有効化したルータでは、コントロールプレーンとデータプレーンの2つのコンポーネントが形成されます。
- コントロールプレーン・・ルーティングやラベルスイッチングに必要な情報が取集されます。(ルーティングテーブルやFIBテーブルにより収集される。)
- データプレーン・・コントロールプレーンで収集したデータをキャッシュして実際に受信パケットの転送処理を行う場所になります。具体的には、ルーティングテーブルからFIBテーブルを作成、LIBテーブルからLFIBテーブルを作成しそこで転送処理を行います。
MPLSを有効化したルータは、4つのテーブルを保持することになる。
FIBテーブルやLFIBテーブルの設定は不要で、ルーティングテーブルとLIBテーブルから自動で生成されます。
※CCNP ENARSIは1月に合格しました。
ENARSIは旧CCNP Routing &Switchingの知識で行けるので、割と取りやすいかもです。
問題はENCORの方ですね。。
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