2020年7月10日(金)にシンガポールの国政選挙がありました。シンガポールは、投票が国民の義務となっており、この日は祝日になります。(ミスって出社)
目次
シンガポールの選挙の結果、政治情報などまとめ
まずは、結果から
- 与党人民行動党が、83議席を獲得し勝利
- 与党勝利で終わったが、前回得票率69.9%から今回61.2%に下がった。
- 野党の労働者党は、前回6議席から10議席に躍進
- 野党議席が2桁に達したのは、独立以来初めて。
リーシェンロン首相率いる与党、人民行動党が83議席を獲得し勝利しましたが、野党が躍進しました。シンガポールは独立以来、一党優位性が確立されているので、結果は変わらないだろうなという感じでしたが、野党の議席が増えたのは意外でした。
シンガポールの一党優位性について
各国の政党制は、政治学者のサルトーリによると⓵一党制、②ヘゲモニー政党制、③一党優位政党制、④二大政党制、⑤穏健な多党制、⑥極端な多党制、⑦原子化多党制の7分類に分けられるそうです。
シンガポールは、③の一党優位政党制の具体例としてよく出てきますが、まさにそのとおりです。
戦後日本もかつて、③に分類されていましたが、1990年代初頭に政権交代があったことから、この類型から外れました。
ただ、日本も実態として考えると、政党制の分類に関しては、シンガポールと日本は似ているのかなーとも思えます。(国政は特に)
一党優位性の良いところは、大きな政変が起きにくいことから政治が安定していると捉えることができ、資本が集まりやすいところかなと思います。まさに、シンガポールが体現しています。
シンガポール政治
では、ここで簡単にシンガポールの政治についての情報をまとめてみます。
国会
シンガポールは立憲共和制で、国会は一院制です。(日本のように、衆議院、参議院の二院制ではない。)国会議員の任期は5年で、任期途中での解散があります。今回の選挙は、首相が大統領に助言したことにより、大統領令で実施されました。
国会議員選挙
全国を小選挙区(1名選出)とグループ選挙区に分けて選挙を実施します。小選挙区は、一つの選挙区に対して1人選出、グループ選挙区は、一つの選挙区に3~5名が各政党から立候補し、得票数が一番多い政党が、議席をまとめて獲得します。
このグループ選挙区という制度は、シンガポールの選挙の特徴の1つかなと思います。
選挙権
満21歳以上のシンガポール人は、選挙権があります。(義務投票制)永住権保持者は、選挙権はないようです。
日本の国政選挙の得票率が、5割程度に対して、シンガポールの得票率は9割を超えます。これは本当にすごいなと思います。日本も見習ったほうが良いかも。
投票のやり方は、各投票所に行って投票するというやり方です。この辺りは日本と似ているなと思いました。
ハイテク国シンガポールでも、電子投票はまだ行われていないみたいです。
まとめ
5年に1度の貴重なイベントを体験することができました。また、シンガポール政治を身近に感じることができ、勉強になりました。シンガポール政治は、与党の一党優位ですが、意外と色々な政党があることにびっくりしました。
一点、面白いなと思ったところは、グループ選挙制です。シンガポール国内の各地区から選出された政党のグループは、その地域の政策も担当しています。つまり、日本のように国の仕事は国、地方の仕事は地方、といった分け方ではなく、地域から選出された国会議員は国の仕事だけでなく、選出地域の政治も担当しているようなイメージです。
このため、国政選挙と言えど、各地域のマニュフェストはその地域のことに特化した作りになっていて、日本人から見ると統一地方選挙に近いような感じがします。
義務制とはいえ、投票率の高さが素晴らしいシンガポールですが、国政選挙が地方選挙のように身近に感じられるところも、投票率の高さに寄与しているのではないかと思います。日本も見習うべきところがたくさんあるなと思えました。
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