2020年8月30日現在のTwitter情報ですが、デジタル人民元が遂にリリースされたとのこと。これが事実なら8月半ばくらいに実証実験と言われていた中で衝撃的な速さです。
そこで、本記事では、デジタル人民元とは何なのか、仮想通貨とは何が違うのか、について簡単に解説します。
目次
【速報】中国でデジタル人民元がもうリリースされたってマジなの?
デジタル人民元とは?
まずは結論から。
- 人民元(法定通貨)のデジタル版です。
- ベースとなる技術は、仮想通貨と同じブロックチェーンが使われていると思われます。
え、それだけ?と思うかもしれませんが、用途は様々で、今後のインパクトも大きい話です。
キャッシュレスがより一層普及する
キャッシュレスってすでに進んでたんじゃないの?と疑問が湧くはずです。今まで我々は、例えばラインペイなど、個別の会社の決済サービスを利用してキャッシュレスサービスを利用していました。しかし、今回のデジタル人民元は、法定通貨(人民元)のオフィシャルなデジタル通貨の発行が始まったということです。つまり、中国という大国が、国を挙げてキャッシュレスを進めているということになりますから、相当大きな話になりますよね。
どういうお金の流れ?
デジタル人民元は、中国政府が発行元になります。中国の中央銀行が市中銀行に対してのみ、デジタル人民元を発行するそうです。このため、中央政府が貨幣供給量をコントロールできるため、ビットコインなどの仮想通貨のように激しい価格変動は発生しない仕組みとなっています。
オフィシャルな情報ではないですが、中国の市中銀行(民間の銀行)のオンラインバンク上で、デジタル人民元が突然リリースされたようで、これが事実なら既に実用化されていることになります。(実証実験で、公務員の給料をデジタル人民元で支給ということもやっていたみたい。)
仮想通貨との違い
これも結論から。ビットコインなどの仮想通貨と、デジタル人民元の違いは、「中央で管理する人がいるかどうか」です。
両方とも基本的な技術としてはブロックチェーンを使っていますが、デジタル人民元は法定通貨のデジタル版であるため、価値の変動が少なく、日常的に利用されやすい点にあります。
仮想通貨は、以前、日銀の黒田総裁もおっしゃっていましたが、通貨というよりも投機性が強いため仮想資産と呼ぶべきだという意見もあり、運用によって増やしていく側面が強いです。(今後はわかりませんが。)
一方、デジタル人民元は、細かい利用方法は不明ですが、恐らく市中銀行の口座を持っていれば誰でもこの通貨を利用することができるため、爆発的に一般利用が普及することが予想されます。
また、こうした、価格変動が少ないデジタル通貨をステーブルコインといいます。
なんでデジタル人民元をビックニュースと捕らえるの?
上記で説明した通り、ブロックチェーン技術を使ったビットコインのような仮想通貨は、価格の変動が激しいため、決済手段としては課題を抱えていました。例えば、1か月前まで1BTC=100万円だったのに、今では1BTC=120万円になっていることなど普通にあるからです。
これに対して、デジタル人民元のようなステーブルコインなら、法定通貨の一面を持っているので、価格の変動も少なく、日常的な利用にも適しています。
ブロックチェーン技術は、送金スピードや安全性など従来の技術よりも優位性があります。つまり、デジタル人民元がリリースされることにより、人民元の国際的な価値が高まり、通貨の面においても中国が覇権を取りに来ることが予想されるためです。
まとめ
デジタル人民元とは
- ブロックチェーン技術を使った、人民元のデジタル通貨である。
- 仮想通貨と違い、中央政府がデジタル通貨を管理しているため、価格の変動が少ない。
- 誰でも日常的に利用できる。
- 今後、人民元の世界でのプレゼンスがさらに高まる可能性がある。
それにしても、早いですね。Twitter情報では、リリースが前倒しされたのだとか。それほど、力を入れているということなのでしょうか。
コメント