今回は、コインゲッコーさんのQ2レポートをもとに、NFT市況概要とPolkadot/Kusama経済圏について解説していきます。
コインゲッコーさんのレポートのリンクはこちらから。
CoinGecko Q2 2021 Quarterly Cryptocurrency Report
目次
【重要】2021年前半のクリプトマーケット振り返り~NFT,Polkadot&Kusama編~
NFT市場
まず、今後の重要論点の1つ、NFT関連からです。
NFTアート
何といっても今年の3月4月はNFTアートがはやりましたね。2Qではどうなったかというと、市場規模は縮小傾向となっています。
図の通り、6月は4月の取引高に比べて、何と91%減となりました。
NFT市場全体の伸び
とはいっても、NFT市場全体は以下の通り活況です。
こちらは、OpenSea(水色)とRarible(黄色)の取引高を表したグラフです。取引高はNFTバブルと呼ばれた3月がまだトップですが、5,6月と底堅さを見せていることがわかります。
また、4~6月を見るとOpenSeaの優位性が高まっていることも分かります。OpenSeaはNFTの世界最大のプラットフォームです。使い方は私の過去記事で解説しています。
【初心者向け!】NFTの始め方~デジタルアートの販売方法をアカウント開設から丁寧に解説~ | 海外生活情報ブログ (jotsu.blog)
最近では、Ethereum上で発行されるNFTはOpenSeaで発行、販売されることが多くなっており、Ethereum経済圏の伸びとともに成長してきたと考えられます。
AXIS Infinityを中心としたPlay to Earn
さて、ここからが重要です。
Play to Earn、Axie Infinityと聞いてピンとくるでしょうか。実は、2Q及び現在最も注目されているのがこの分野となります。
Play to Earnとは、ブロックチェーン上のゲームを攻略していく過程で仮想通貨を稼ぐことを指します。Play to Earn系ゲームの代表がAxie Infinityです。
Axie Infinity内で使用するAXSは7月から現在にかけて、1か月で1000%価格が上がっています。7月は地合いが最悪だったにもかかわらず、一人だけ爆上げしていた、まさに化け物通貨です。
Axie Infinityの全体の取引高の伸びは、下記のグラフを見ても明らかです。
合計取引高、年初来131倍、月間収益118倍という恐ろしいほどの成長を見せ、未だ成長し続けています。
このブレイクには、Play to Earnという、新しいスタンダードが深く関係していると言えそうです。コロナで職を失い、時間を持て余した人たちがこのゲームで稼いでいるというのは有名な話で、実際フィリピンなどが初動を取ってこのゲームで稼いでいます。実際、ゲームで稼いで家を買ったという人まで出てきているというので驚きです。
ここから学べることは、下記の2点かと思います。
- Play to Earnという新しい経済圏を生み出した。
- ブロックチェーンが日常に入り込むインターフェースとして、ゲームは非常に有効で今後も注目度が高い。
私は、今回のAXIS Infinityの成功を見て、今後、ゲーム×ブロックチェーンの分野が発展していき、Play to Earnというモデルがますます普及していくのではないかと思っています。
個人的には、任天堂やスクエニなど、いわゆる「本物」がこの分野に入り込んできてほしいなと思っています。Play to Earnといえど、ゲームがつまらなかったら続かないですよね。
以上、NFTのQ2まとめでした。
NFTは、日本でもコインチェックがマーケットを取引所としてオープンしていたり、GMOグループの熊谷社長、マネックスグループの松本社長など超一流の方々がNFTに関して言及していたりするのを見ると、やはりブロックチェーンの中でもかなり注目の分野なのではないかと思います。
POLKADOTとKUSAMA
ちょっとマイナーかもしれませんが、パラチェーンという分野で、PolkadotとKusamaを見ていきましょう。
Polkadotのリレーチェーン、パラチェーンとは?
そもそも、Polkadotって何のことでしょう?
下記はPolkadotの公式ページにあるパラチェーンの構成図です。
何やら難しそうですね。
真ん中に、リレーチェーン(Relay Chain)と書いてあるのが見えるでしょうか。これがPolkadotのネットワーク本体だと思ってください。Polkadotの役割は、異なるブロックチェーンを繋ぎ、ブロックチェーン基盤のプロダクトの利便性を向上させるものです。
一方、パラチェーンは、ポルカドットの本体でもあるリレーチェーンに繋がるブロックチェーンです。パラチェーンのパラは、Parallel(パラレル)、つまり「並行」しているチェーンです。
ポルカドットではこのパラチェーンが、エンドユーザーが利用できるアプリケーションとして開発されることでポルカドット経済圏が拡大していきます。
ポルカドットでは、上記の図に出てくる用語の理解が重要となります。
まとめると以下の通りです。図と照らし合わせて理解してみてください。
- リレーチェーン・・バリデータによって管理されるメインのチェーン。ブロックチェーン同士を接続する役割。パラチェーンとパラスレッドを接続する役割だけなので、スマートコントラクト(システム上で自動で契約が実行される仕組み)はサポートしない。
- パラチェーン・・リレーチェーンを通じて、プロジェクト開発者がアプリケーション等を開発できる。
- パラスレッド・・パラチェーンが小さく分割されたもの。資金力のないプロジェクト開発者は、従量課金(利用した分だけ)でパラチェーン上の開発を行うことができる。
- パラチェーンブリッジスロット・・他のプロジェクト(Ethereum等)との接続を行うためのパラチェーン
Polkadotにおける2つの主要な参加者
- バリデータ(Validators)・・ノードの事。レーチェーンでブロックを生成する。
- コレーター(Collators)・・パラチェーンのトランザクションを収集し、その情報をバリデータに提供する。
Kusamaとは
Polkadotを深堀する前に、Kusamaについても見ていきます。
Kusamaもポルカドットと同じく、パラチェーン関連のネットワークを持ちます。
Kusamaの特徴として、Kusamaはパラチェーン上での開発者が自分のアイデアを試すために実験的な空間を提供するものです。
カナリアネットワーク(canary network)と呼ばれたりもします。カナリアとは、実験的なという意味合いで使われており、KusamaはPolkadotの実験的な場所、と覚えておくとよいでしょう。
新たな経済圏を生み出す、Polkadot/Kusamaパラチェーンオークションとは
「パラチェーンオークション(PLO)」とは
- ポルカドットのパラチェーンを決めるためのオークション(入札)
- 合計100の枠(スロット)
2021年6月に開始されたばかりです。
Polkadotの実験ネットワーク「Kusama」、パラチェーンオークションを開始 (coinpost.jp)
パラチェーンになると、ポルカドット/Kusama本体(リレーチェーン)のセキュリティ恩恵などを受け、より安全で信頼のあるプロジェクトを開発していくことができます。
ポルカドットのパラチェーンオークションは、ポルカドットの仮想通貨である「DOT」やKusamaの仮想通貨である「KSM」をどれだけ入札できたかで決まります。DOTやKSMをより多く集め、より多く入札したプロジェクトがパラチェーンとなるのです。
では、開発者がオークションに必要なDOTもしくはKSMを集めるにはどうしたらよいのでしょうか。具体的な方法は以下の2つです。
①自己資金でDOTやKSMを購入する。
②プロジェクトチームが開発しようとするトークンをインセンティブとして提供することで、クラウドローン利用してDOTもしくはKSMを借りてくる。
オークションの方式(キャンドルオークション)
パラチェーンオークションは、キャンドルオークションと呼ばれる方法で行われます。
キャンドルオークションとは、「いつ終わるかわからない」オークションです。
どういう事でしょうか。下記の図は、キャンドルオークションを模した図です。
図の中央に、ランダムなカットオフタイムとあると思います。これが、いつ終わるかわからない、の招待です。キャンドルオークションでは、オークション期間は決まりつつも、そのオークションがいつ終わっているかわからない、というオークションです。
上の図では、7日の期間があるにもかかわらず、3日目で終わっている場合を表しています。この場合、7日目時点で500kのKSMを集めたプロジェクトCではなく、3日目までに200kのKSMを集めたプロジェクトBの勝利となります。
上記の通り、オークションはすでに始まっており、勝者は上記の通りとなっています。
Shidenは日本の東大生のプロジェクトですね。
Polkadot/Kusamaは、まさにこれから経済圏を作っていく重要なインフラ基盤となっていくため、DOTやKSMを持つのも一つの戦略かもしれませんし、オークションで勝ち残ったプロジェクトをウォッチすするのも良いかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
かなり長くなってしまいましたが、NFTとPolkadot/KSMは2021年Q2で重要な論点で、今後も市場が伸びていく分野だと思うので、詳しく解説しました。
特に重要だと思う点は以下の通りです。
- NFTで、AXIS Infinityを中心としたPlay to Earn分野
- Polkadot、Kusama経済圏の今後の拡張、オークションの進展
仮想通貨、ブロックチェーンの分野は、恐ろしいほどの速さで日々進歩しています。
2020年からアメリカ主導の相場を作っていき、世界中の天才がこの分野に集結しつつあります。
難しく、まだ抵抗があるという方も多いかもしれませんが、とりあえず小額からでもいいので投資してみると、馴染みがわいてくるかもしれません。
下記の記事はシンガポール在住時に書いたので、シンガポール向けになっていますが、口座の開設方法なども記載しているので、良かったらご参照ください。
シンガポールで仮想通貨投資を始める方法~2021年は一緒に稼ぎましょう~ | 海外生活情報ブログ (jotsu.blog)
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